遠く安曇野の空の下で自然のままの姿になった“地球のこどもたち”、また、その場に行きたくても行けなかった“地球のこどもたち”、こんばんは。ボクチンもイケナッカタよ(涙)
先週末、その近くの三河の地から一つの荷物が届いた。が、開封できたのは今日となってしまった。仕事を事前に寄せてこなしたつもりが大会後からバタバタと忙しくなって一息付くまで10日もかかってしまった。明日からもタイト・・・。
さて、今回は大いに“三河黒七輪”ん?“三河薪七輪”についてインプレッションさせていただこう。何だか偉そうな言い回しになってしまったけど、偉そうに書いているんじゃなくて“自信”を持って書いている故ですので御勘弁を。
かれこれ丁度1年前、薪バスターこと
マインドカーバー氏の旧ブログに“高効率燃焼”について記事がアップされた。その後、復刻された“薪七輪”や“ナノセラバーン”と称される究極の燃焼効率を持った黒七輪の記事が度々紹介されていたが、今、この宮城県蔵王町の遠刈田温泉の“森の楽園”にある黒い薪七輪は、その姿からすると初お目見えの“三河黒薪七輪”となる。
先ずは火を入れてみなければと、いつもブリキのストーブの焚き付けにする時と同じように、スギの枝葉をパキポキと折り丸めてライターで火を付けた。燃え方を記録に残そうとカメラを取りにその場を離れ、1分もしないうちに戻ったらコレだ!↓
スギの小枝を丸めて着火、そのすぐ後日頃アウトドア風っぽいことをしている割には、毎度ストーブの焚き付けとオネーサンは燃え上がるまで吹くの煽るのと忙しいのが実情なんだけど、どういうわけかこの“三河黒薪七輪”は1回で着火しているのですよ。そんな一発着火のオネーサンがいたら首から札を下げて手を上げて呼んで欲しいですよ。どうせカメラ片手に戻ったらもう一度着火させなきゃナァと思っていたのに振り向くと煙が上がっていたので驚きました。なんだかドアの施錠を確かめて振り向いたらシャワーを終えてフワフワのモコモコの真っ白なバスローブに包まれたオネーサンが手招きしているみたいですよ。そしてほのかな温かさに誘われてカメムシがどこからともなく飛んできて焚口の下にとまってしまったのです!そう、二重構造である三河の七輪は艶かしく黒光りするボディは熱くはならないのですよ。
驚きはそれだけじゃありません。今日は前日に初冠雪した蔵王の山々を眺めながら生木の杉丸太をカービングし、滴こそは垂れないけれど生木から切り落とした木っ端をくべていたのです。その木っ端からも程なくして白煙が収まり焔が立ち上り始めました。芋煮会の季節にホームセンターやコンビニの軒先で売られている薪は大概コナラの間伐材を乾燥させたものなんだけど、杉の生木はそれらより格段に燃えにくいんですよ。それが燃えてるんですなぁ。
カービングをしながらだったので“この燃え方だと頻繁に薪をくべる必要があるな”と思いながらも、チェックするたびに薪は炭の姿に変わり残っています。丁度一息付くタイミングに薪をくべる程度で火種はずっと持っています。これだけ焔が高く上っているのに燃料である薪、炭が長持ちすることの意味が未だよく理解できていません。杉は前出の“薪用”とはこれまた違ってカロリーというか“火持ち”が悪いのに不思議です。まるでキャラメル1個で300メートル走れる位の感動さえも感じます。おそらく段階的な燃え方、例えば加熱された空気が過給されて可燃性のガスを発生させ、そのガスが最初に燃え始めて次に・・・といった具合な燃え方なのではないかと。ブリキストーブみたいに、単にボーボーと燃えりゃぁいいってモンじゃないって感じ、ミタイナ。
そしてストーブでは毎度掻き出していた灰がほとんど見えません。サナと呼ばれる灰受のスリットを通して下へ落ちているのでしょうか・・・。その後も木っ端をくべるも白煙はほとんど昇らずカービングに集中していました。
・・・ら、無い。無いんです。燃え残りが。灰さえもほとんど無いんです。そして中子と呼ばれる燃焼部には“スス”が全くありません。更にサナを外して底を見てもほとんど灰も残っていないのです。引き合いにブリキのストーブを出すのは間違っていますが、経験上“有り得ない燃え方”に感動しました。
稀に週刊誌やアウトドア系の雑誌に載ってる“南極観測隊がどうたらこうたら・・・ダイオキシンを発生させない高温燃焼?”とかいう未来型ミニ焼却炉があるみたいだけど、それならば暖をとるにも調理に使うにも持ってこいのこの薪七輪は、ある意味21世紀になって蘇った人知の結晶ではないかと思いますね。この日本伝来の品なら世界を相手に活躍できるだろうと。
これまでブログの記事で何度か取り上げた通り“ここら界隈の高湿度”環境でこの燃え方には“萌ぇ〜”です。“燃やすのが楽しい”なんて各所に影響が出そうな表現ですが、この三河黒七輪ならぬ薪七輪は“楽しい!”
そろそろブリキを卒業して、大人の“三河の伝統工芸”実用品を持つことを全世界のアウトドアフリークに絶対お勧めしたい!