“餃子の王将”が東北初上陸、仙台一番町店のオープン当日、新聞の折込みチラシが入りました。チラシの11時半オープンの文字を横目に年末調整調書を作成してしまおうと。午前中のうちに税務署と市役所に提出する帳票も書き終えた。しかし腹減ったな。大阪にある餃子の王将の分店では、食費に困ったら皿洗い1時間で賄い飯をいただけるそう。仙台でもやるかな。仙台店は“一枚暖簾”になるのかな、それとも切れ込みのたくさんある暖簾になるのかな。
秋口からオープンに併せたイメージ戦略なのか、餃子の王将をCMではなく、様々な番組で取り上げられたものの再放送をよく目にした。
“餃子の王将”では、年齢給というものもあるらしく(一概にそうかは知らないので)、店長などの管理職は別として20歳なら20万円、30歳なら30万円、40歳なら40万円の月給なのだそうだ。
年末調整の一覧表を見ていて思う。本当に爪の先に火を灯す思いで暮らす人たちのことをこの国の政をつかさどる方々には、よくよく考えて欲しい。
日本の世帯年間収入構成を見てみると、全世帯数のうち35%が4〜500万円台、300万円台が10%を超えている。短く言うと日本の世帯の半数の平均年収は400万円そこそこ。食費はエンゲル係数でいうところ月5万円弱。
例えばうちのように自営、5人家族ならば国保と年金で80万円が黙っていても出てゆく。その他に一般の生命保険や個人年金、損保などの所得控除額があればそれを差し引いてゆくと、生きるために必要な衣食住がやっとこできるか否かの線が出てくる。会社勤めの厚生年金家庭でもこのあたりは似たり寄ったり。
さて。
昼の弁当1500円を食べている人たちが、1500円で2日分の食費で暮らす一家を理解できるのだろうか。
XY軸のグラフで言うところ、0基点のy軸上の座標は、生きるために必要な線を基点にして始めないといけない。
1500円の弁当が食べられる人が1000円の弁当に格落ちするのと、1000円で5人家族の2日分18食とするに飯を粥にするか食事を何食か抜かなければならない人では、同じ土俵では話しができない。
エンゲル係数は消費支出に対する食費の支出割合だから、12パーセントとして月収1億円の人が1200万円分の生命維持カロリーは摂れないし、月収10万円の人が12000円分の生命維持カロリーではかなり厳しい生活になる。数字のマジックだ。
暮らしそのものを華美なものでなく、ただただ維持するためだけに必要な線。その一線は、数字や机上でよく見えても、実態は見えるようで見えない。
一億総中流意識であったのは、ほんの数年前。技術革新の進んだIT社会では、人の汗による労働が無用となってきている。
机の上では食糧も人の心も育たない。