いよいよの冬、足の爪先から・・・というより、骨に凍みるような寒さが足元から上がってきます。工房の薪棚から奥を覗くと、蔵王連邦五色岳、お釜から続く濁川が見えます。
青白く見えるのは硫黄分を含むためで、お釜と同様、陽のあたり加減で色が変わります。夏のそれはまた美しいです。お釜から続く峰々の谷を流れ、ここ鬼石原で堰があるように流れを変え、澄川と混じり、遠刈田温泉で松川と名を変えます。
山頂には水道の蛇口など無いのに、絶えることなく轟々と流れ続けています。川は上流から下流へと流れるもの。不思議ですね。雨が?雪が?降らずにいても枯れません。
朝晩の湿る程度の霜や露が集まって、やがて大きな流れを作り海原へと辿り着き、再び空へと還ります。この姿を古来、竜の姿と喩えています。森羅万象の片隅に生かされている感じがします。
森の楽園にいると、自分の存在が無になります。ただひたすら、自然の一部、一体になりたい、そう願い、どんどんどんどん、着物を脱いでゆくように、たくさんの執着が消え、生かされるありがたみだけが残っ行くようです。